Q. 善玉コレステロール,悪玉コレステロールとは?

LDL(low density lipoprotein:低比重リポタンパク質)は,そのほとんどがコレステロールなので比重は軽く,肝臓でつくられたコレステロールを体の隅々に運ぶ働きをしています。したがって,これが増えると,体の隅々に運ばれるコレステロールが増えて血管壁に入り込んでたまり,血管の内腔が狭くなり,動脈硬化を促すため,悪玉コレステロールと呼ばれています。一方,HDL(high density lipoprotein:高比重リポタンパク)は約半分が蛋白質なので比重は重く,体の隅々の血管壁にたまったコレステロールを回収し肝臓に運び動脈硬化を防止するため善玉コレステロールといいます。

血液中にはコレステロール,中性脂肪,リン脂質,遊離脂肪酸の4種類の脂肪が溶け込んでいます。
体に必要なコレステロールの約1/3は食物から補充され,残りの2/3は,主に肝臓でつくられています。食事から摂取された血液中の脂肪(コレステロール,中性脂肪,リン脂質,遊離脂肪酸など)は,油なので,そのままでは水である血液中に溶けることができず,エネルギーとして利用できません。そこで特殊なタンパク質(アポタンパク)にくっついてリポタンパクという都合のよいものに形を変え血液中に存在しています。そのリポタンパク質は,その密度(脂質の割合や粒子の大きさ・重さ)でLDL,HDL,VLDL,カイロミクロンに分類されます。

超低比重リポタンパク質(VLDL:Lvery low density lipoprotein):中性脂肪が多い。
低比重リポタンパク質(LDL:low density lipoprotein):コレステロールが多く含まれている。
高比重リポタンパク(HDL:high density lipoprotein):リン脂質が多い。
カイミクロン:小腸で脂肪が吸収される際に作られるリポタンパク質で,とくにサイズが大きく中性脂肪に富んでいる。

 作成年月日:2015.1.28
【医薬品情報管理室】